ミャンマーと

小学校六年生の時、ミャンマーの大使館へ行ったことがあります。
何かのパーティだったのだと思います。小学校がミャンマー大使館の近くにあり、学校の生徒数名がそのパーティに呼ばれたと記憶しています。たまたまじゃんけんで勝っていくことになりました。

長い塀に囲まれた建物の中へ入ると大きな中庭に緑がありました。様々な見たことのない食べ物が並んでいました。不思議な匂いが漂い、聞いたことのない言葉が飛び交っています。

そもそも、パーティなどというものに参加したのも初めてでした。自分がなぜここにきているのかもわかっていないのです。不安とどうしたらいいのかわからない焦りで、一緒に来た子供たち数人と身動きをとることすらできず固まっていました。早く帰りたい・・・。

そんな私達のような子供にも、大使館の方は親切で(大使館の方かもわかりませんが)
美しくやさしい笑顔で話しかけてくれました。だけど、私はそれに対してどう答えたらいいのかもわからず、どんどん緊張して萎縮していました。

ある人が、食べ物や飲み物を手渡してくれました。その不思議な匂いと見た目に食べるのを嫌がる子もいましたが、手渡してくれた人の優しそうな笑顔にひかれて、思い切って口に入れてみました。すると、その食べ物の美味しかったこと!その味は初めて食べた味で、今まで食べた何とも似ていませんでした。酸味もあり甘みもあり、不思議な匂いがあり。こんな食べ物があったのか!と感動したのを今でも覚えています。

少しの勇気を出すことで、全く知らないものに出会う感動をあの日初めて私は知りました。よくわからないもの、不思議なもの。最初は怖くても、その先に素敵な出会いがあるかもしれないというこの体験は、その後の人生に大きな影響を与えてくれたと思っています。

ホメオパシーとの出会いも、あの日、発見したちょっとの勇気で得た喜びから続くものだと思っています。

それから、私はミャンマーを大好きな国として意識をしていました。それから今まで、ミャンマーには本当にいろいろなことがありました。あのとき、親切にしてくれた方々が今どのような気持ちで過ごされているのだろうと新聞を眺めながら何度も思い出されました。また、そのようなニュースに触れずとも、今はどうなっているのだろう?とふと気になる瞬間があります。

現在、様々な国で人権にかかわる問題が起きています。ミャンマーだけじゃない!
日本にいる私達にだっていつ降りかかるかわからない問題です。

大変そう。だけど自分とは関係ないからと見過ごすことだってできます。今まで私もそうしていました。大変な人はたくさんいる。何もしない言い訳はいくらだって見つけられます。

また、私ができることは本当に小さいです。こんなことが何の足しになるのだろうとも思います。だけど、小さな積み重ねがある日、大きな変化をもたらすことも知っています。

あの日得たちょっとの勇気は、私を大きく変えてくれました。小さな行動でもそれは、何かを大きく変えるきっかけになると今は思っています。


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