ごんばこ
次女は、ゴミ箱のことを「ごんばこ」といいます。
正確な発音は私にはできず、私が発音すると、違う!と怒られます。
次女(14才)がある日学校で、「ごんばこ」と言ってクラスの子に笑われたと帰ってきました。私に「ごんばこ」って教えたのは誰だ!そして、なんで「ゴミ箱」だって教えてくれなかったんだ!とご立腹です。
次女が「ごんばこ」というのに気が付いていましたが、そのままにしていました。
なんとなく、なじみのあるような言い方でしたし、幼児語は自然に
大人になったら、治るだろうと思っていました。
だけど、私は子育てで、できるだけ、幼児語を使わないようにして育てていたので、
なんでそんな言い方するようになったんだろう?「うーん」と考えこんでしまいました。
すると、長女が、「じーじが使っていたんだよ。」と真相を教えてくれました。
長女と次女は、幼いころから祖父の近くで育ちました。
その後ある程度大きくなってまた、別々に暮らすようになったのですが、小さなころに聞いていた言葉が、そのまま、残っていたのでしょう。
じーじは、数年前に亡くなりました。
だけど子供たちの中に生きてるんだと思い、
うれしい以上、胸がいっぱいになりました。
鮮明に、その頃のじーじの様子を思い出したからです。
じーじもきっと喜んでいると思う。
方言を話す人に出会うとなんだかうれしい気持ちになるのは、こういうことなのかも。
その人の中の沢山の人の重なりの歴史が感じられる瞬間。
正しいことって何だろうと思います。
私がもし、幼児語はダメ。正しい言葉を使いなさいと直していたら、
こんな幸せな瞬間に出会えなかっただろうな。
次女もそれを知ってから、「ごんばこ」問題で怒ることはなくなりました。
大切なじーじとの思い出だと気が付いたのだと思います。
大人になり会社で「ごんばこ」って言ったら、笑われますよね?
でもそれがダメな事なのかな?人を笑う社会より、
「なんで、ごんばこっていうの?」とにこやかに受け入れてくれる大人に育ってほしい。
当たり前だけど、
大切なものは、ルールより人です。
これは、大人でも時々わからなくなりがちなので、しっかり伝えていければなと思っています。
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