相手の話をただそのまま聞く

ホメオパスの学校(現在のCHHOM)に入り、一番最初の授業で、由井寅子先生がお話されたのは、《相手の話をただそのままきく》ということの大切さでした。

勝手にこちらで、これはあーだろう。これはこうだろうと思ってきかない。その人の言っていることをそのまま聞くことが大切ということを何度も話されていました。


私は、もともと心理学を勉強しており、傾聴訓練(ただ相手の話を聴く訓練)をしていました。また子育てをしていく中で、そのまま聞くということの難しさも感じており、自分の中で気を付けていました。
なので、その言葉をとても素晴らしいと思い印象に残りました。


由井寅子先生は、そのためには、自分の概念に惑わされずに、ただききなさいということを話してくれました。

これは、傾聴訓練でもしていることでしたので、その点、自分はできていると思っている部分がありました。これまで、人の話を聞くことをやってきていたので、自信があったのです。

《相手の話をただそのまま聞く》を私はきっとある程度できている。でも、よりできるように頑張ろう。そう思っていました。

今振り返ってみたら、

《相手の話をただそのまま聞く》というのができるようになるには、それから、10年くらいの歳月がかかったように思います。

そして、10年以上たった今、ようやっとその方法を理解し説明できるようになりました。

それくらい難しいことでした。


《ただそのままきく》というのは、ホメオパスだけでなく、誰もが身に着けられるといいことのように思います。というのも、ほとんどの人が、相手の言うことをただそのまま聞くということができず、コミュニケーションにおいてつまずきがあるように見えるからです。

他の人の意見を聞いたほうがいいということではありません。相手がなにを言っているのか知ることで、自分の意見も伝えやすくなると思うからです。

《相手の話をただそのまま聞く》が難しい理由

子どもは、素直に話をきいています。まさに《ただそのまま聞く》ができています。
なので、できない人なんていないと思います。
何度も書きますが、子どもは、大人の言うことをしっかり聞いています。

うちの子は言うこと聞かないなんて言っている親御さんもいますが、それは子供がわかるように伝えていないだけです。

《相手の話をただそのまま聞く》というと、素直に聞くとか聞くという言葉に意識が向きがちですが、実は、問題なのは、自分の概念に惑わされないということの方だったのです
つまり、固定概念です。

固定概念って自分の中で固定しているので気が付きにくいです。
なので、自分にはないと思ってしまってないですか?

だけど、「信じられない」とか「考えられない」とか言うことありませんか?
それは、自分の概念で判断している証拠です。

例えば、

いつも、同居の家族が帰ってきたらすぐにこれをして欲しいということあると思います。

手洗いでも、かばんを片付けるでも。

だけど、それをしない。いくら言っても聞かない。

この時、相手の話をしっかり聞けてますか?

子どもは、「わかった」というだけかもしれません。

でも、その行動を見れば、帰ってきてすぐ何かをしたい。
(おやつを食べたいとか、遊びに行きたいとか)というのが手に取るようにわかる
と思います。もしかしたら、最初の頃はそう言ってくれていたのかも。
ここで、ただ、そのまま聞いていたら、

そうか、それがしたいんだな。ということをまず理解できます。

だけど、現実はそうではないです。

「そんなのダメ!おやつ食べる前に手を洗わないなんて信じられない!」
と言っている方が大半だと思います。

そう思い込んでいることが悪いことではないんです。

おやつの前に手を洗って欲しいと思っているというのは、あなたの考えです。

だけど、相手には相手の考えがあるのです。だから、それを「信じられない」や「考えられない」という言葉で片づけないでください。

なるほど。そう思うのね。と受け取ってください。それが固定概念の発見方法です。

こういうと、そんなの受け入れられないという方が多いですが、受け入れる必要ないです。
相手の意見を受け取った上で、そうだということはわかったけど、まずおやつの前に手を洗って。と伝えることが大切なのです。

相手は、自分の言いたいことが伝わったと思ったときはじめて、こちらの話を聞いてくれるからです。固定概念があると、相手にゴリゴリした印象を与えてしまい、強制されている感じがするのです。だけど、それがなければ、すーっと相手の心に言葉は入っていきます。

この固定概念は自分の事も縛ってしいます。
なんだか、上手くいかないという時は、この固定概念が邪魔している事あると思いますよ。

「信じられない」や「かんがえられない」使ってないですか?気を付けてみてください。

ただ、そのまま聞く方法

となると、最初にするべきことは、固定概念をクリアにしていくことです。

例えば、

食後、テーブルを拭いてくれる?と子供に頼んだ時、

自分は食卓だと思って伝えたのに、子供がそれとは違うテーブルをふいたらどうしますか?

あなたは、食事の後食卓をふくにきまってるんだから、その時言っている言葉はテーブルを指すにきまっているとおもうかもしれません。

だけど、子供にとっては、いま遊んでいた机のことだと思ったというような勘違いって良く起きますよね。

こういうことに気が付いて、自分の固定概念を一つ一つクリアにしていくことが、
《ただ聞く》の為のステップ1なのです。


私は、相談会でびっくりするような事を、クライアントさんが聞かれるといわれます。

例えば上の状況だったら、どのテーブルですか?って聞くと思います。

そんなこと聞かれたことないです。誰もが分かると思っていました。

と答えられる方もいます。それでも聞きます。そして、何でですか?どうしてですか?

そうやって聞いていくと、聞かれるとわからないんです。そう思い込んでたけどそれってなんでだろうって。思います。といわれる方もいます。

人によって固定概念は違います。だから、ふんふん。なるほど。とは人の話は聞けないんです。

夫婦や親しい友達だと、この誤解は、より増えてきます。
だから、そういう所で試してほしいです。

この話って、私はこういうことだと思っていたけど、あなたはどういう意味で言ったの?って。わかりきったことを質問してみてください。

それが全然ちがってきっとびっくりすること多いと思いますよ。だけど、勘違いしていた時より、きっと仲良くなれます!


レメディを選ぶときは、ただ聞くというのは、本当に大切です。

お腹が痛いという人にたいして、自分の知っているお腹痛だと思い込んでしまっては
ベストのレメディは選べません。常に初めて、その話を聞いたように聞く必要があります。
咳が出ているから喉が痛いだろうと思うのも、間違いですし、のどの痛みを聞いているのに、膝の話をされたら、その話をきいているわけじゃないと思うのも、喉と膝が関係ないという思い込みにすぎません。

自分の固定概念を溶かしていくという作業が、《ただきく》というのには必要で、
それには、それ相応の時間がかかったなというのが私の感想です。


センターの勉強会では、この《ただ聞く》について勉強していく会もあります。
興味がある方は、お問合せくださいね。

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