時々、インナーチャイルドへの対応はしてくださいますか?と質問があります。
インナーチャイルドとは、子供の頃の記憶や感情の事を指します。この子供の頃の事が現代の思考や行動に影響を与えていることがあるので、インナーチャイルドを癒すことが大切と言われています。
どんな方も、子供の頃の記憶や感情というのはあり、それによって現在も影響を受けている方がほとんどです。なので、お話を伺っていくうえで、インナーチャイルドと呼ばれる、子供の頃の話になる事は多いです。
インナーチャイルドというと、悪い記憶や感情をイメージされたり、悲しんでいる自分の中の子供というように認識されている方いるのですが、そうとは限らないと思っています。
自分にとって、そのときよかったから、その価値観を身に着けた場合もあります。
頑張ったことが、喜びにつながったから、頑張る事を自分に必要以上に課すようになった場合等がその例です。
だけど、その価値観が大人になってきて、自分の行動に制限をしてきます。子供の頃の記憶や規制は融通がきかず、気づかないうちに思い込みとなって、自分の許容範囲を狭くしてしまっているのです。
当たり前のことですが、子供の頃の記憶や感情がない方というのはいないので、世界中誰でも、インナーチャイルドというのはあり、現在に影響を与えています。
これは、本当にあたりまえのことなので、それをわざわざ、インナーチャイルドというように、自分の中に子供がいるという認識をして呼ぶというのに少し抵抗があり、
私は、これを子供の頃の勘違いと呼んでいます。
子どもと大人は違います。
感受性も全く違いますし、物事の捉え方も違うのです。なので、一つの出来事の側面を絶対だと思ったり、悲しみや喜びもいまよりも大きく感じたりします。そしてそれを、記憶の中に閉じ込めて、現在もそうだと思い込んでしまうのです。
ケースを一つ紹介します。
その方は、繰り返し思い出す記憶がありました。
子どもの頃、イスにもたれかかって、窓の外を見ているイメージでした。
お母さんが出て行ってしまい、帰ってくるのを待って、窓の外を眺めている記憶だと話してくれました。
お父さんと祖父母に大切に育ててもらったそうで、何不自由なく生きてきたそうで、大人になってからお母さんとも再開し、時々会うようになっているということでした。お母さんに対しては、恨んでるわけでもなく、なにも感じず、他人と話すような感じになってしまうということでした。
免疫系の疾患があり、それ以外にも、自分が良いと思うものを選べないようなところがありました。就職も上手くいかず、私生活もあまり上手くいっていないということでした。
私も、お話を聞いていて。見捨てられて辛かったという気持ちがインナーチャイルドにあるんだろうと思い、そこにフォーカスしてお話をきいていました。
だけど、それにしては、なかなか、その見捨てられた辛さがとれないところがありました。また、それが自尊心の低さもありまいした。見捨てられたことから自尊心が低くなっているようでしたが、なんとなく、レメディをお選びしながらも、核心に迫れていない感じがありました。
そして、何回かの相談会の後、レメディを摂った後急に、その記憶のシーンには前後がある事を思い出されたと教えてくれました。
「私は、窓を見ていたのではなかったんです。ふと窓を見上げると、母がその窓にいたのです。母は、私に、おいでと手招きしました。私を連れて行ってくれようとしたのだとおもいます。だけど、私は動けなかったんです。母のところに行っていいのかわからなくて。そもそも窓から出ることはできませんから、母のところに行くには、玄関に行かなきゃいけない。でもそれは全く逆の方向です。だからどうすればいいかわからなかったんだと思います。
全く動かない私を見て、母は、一人で行ってしまいました。
その後、母が来ることはありませんでした。もしかしたら、来ていても気が付かなかったのかもです。母は、祖父母に見つかる事を恐れていたようなので。
でも、私は、そこで待ってたんです。母が来ることを。ずっと。次は一緒に行こうと思って待っていました。」
泣きながら、その話をした後、彼女は、母親に見捨てられたのではなく、自分に絶望していたと気が付きました。すぐに母の元に行かなかった自分に絶望したのだと。自分はなんてダメな人間なんだろうとずっと思っていたことを思い出したと言いました。
その思いは、抱えきれず、記憶を塗り替え、母に見捨てられたせいだと、思っていたのです。
彼女の中には、自分への絶望が詰まっていました。
でも、それって今思えば仕方ないことですよね。振り返って自分を許してもらうという作業をしてもらいました。
お母さんには、家を出た理由がありました。その理由は、大人になり聞かされていましたが、どんな理由があっても許せないとその当時は、思っていたそうです。
でも自分を許せなかっただけだと気が付き、自分を許した結果、お母さんのその理由も理解できるようになり、自分が見捨てられたと思うことはなくなったそうです。
その後、体調も上向きになり、就職もでき、私生活も順調に進むようになりました。また、お母さんとも普通に話せるようになったということでした。
インナーチャイルドというのは、見付けて、共感してその思いを手放すことができれば消えてくれます。だけど、この方のように、見捨てられたということに気が付いているのに、手放せない場合は、その奥に別のなにかがある場合が多いです。
ほとんどの場合が、勘違いしていることが多いです。
私の相談会では、1時間~2時間お話いただくのは、その奥まで入っていくにはそれくらいの時間が必要だからです。表面的なものだけではなく、その1歩も2歩も奥に入る必要があると思っています。
インナーチャイルドというのは知っていたけど、自分には全く縁がないとおもっていたのに、相談会を受けていろいろ思い出して、びっくりしたという方もいます。
過去の記憶がない方も、レメディを摂る事でいろいろ思い出される方もいます。
冬の時期は、自分に深く入っていけるときです。
忙しい時でもありますが、自分の時間を作って記憶を巡らせる時間を作ることは有意義な
時間になると思います。
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