ACONAIT

レメディの説明をこのサイトでするつもりはありません。

今回は、レメディを私が、どう理解しているのか知ってもらいたいと思い、その多様性を感じてもらえればと思い、一例として出しました。すべて書ききることはできないですのでレメディのマテリアメディカではありませんことご理解ください。

Aconait

ホメオパシーを少しでも知っている人なら、きっと知ってるだろう、有名なレメディです。

よく聞くのは、風邪の引きはじめに。なるほどなと思います。とにかく強い悪寒の時に良いレメディだからです。でも私はあまり風邪の時このレメディをとったことがありません。

風邪かな?と思う瞬間は人によって違います。気づいたときがそのタイミングというのではありません。これは、風邪の引き初めの強い悪寒がして、「ハッとした瞬間」にぴったりとあうのです。悪寒を感じで、あ、もしかして、風邪をひいたかもという、まさしく瞬間に気付いた人はどうぞとってみてください。だけど、身体の変化に対応して、鼻水がたれてきて、そういえば昨日から悪寒がしてた。となって初めて風邪かもと気づく人もいます。私は残念ながら、そのタイプなので、これでは、アコナイトのタイミングを完全に逃しています。

Aconaiteとは、とりかぶとです。猛毒です。それを口に入れてしまったと想像してください。心臓がバクバクします。え、死ぬかも。と死の恐怖に襲われます.それと同時に強い悪寒があらわれます。その、「え」の瞬間。それが、アコナイトの感覚です。

たとえば、パニック障害の時このような状況になる方もいます。大きなけがをした瞬間もそうです。呆然としてしまいます。突然[死]を強く意識したときもそのような感じがあると思います。

私は、レメディを選ぶときは、感覚というのを大切にしています。

なので、レメディもその感覚で覚えています。

Aconaiteは、ハッとする感覚と強い悪寒です。ゾクッとする感じ。それは、死をイメージさせるような強い恐怖の感覚に近いものです。そんな感覚感じたことないという方は、Aconaiteが今は、必要ないのだと思います。もし、普段よく、そういうハッとする瞬間や強い悪寒があるという方は、要チェックです。Aconaiteを摂ると良いときがあるかもしれません。


それと同時にこのAconaiteは、キンポウゲ科だということも私の理解の中で、大きな割合をしめています。

同じ科のレメディの有名なものに、PulsatilaやStaphisagriaがあります。これらのイメージも私の中にあり、それとAconaiteは、私の中では一つになっています。もし、Aconaite、要チェックだなって思われた方は、PulsatilaやStaphisagriaも考慮にいれてみてください。逆もそうです。

このキンポウゲ科のレメディの共通感覚としては、いら立ったような、鋭い感覚があります。突き刺されるような痛みです。

そして、この突き刺される感覚となると、Hyperが思い浮かびます。神経に届くようなケガ。この二つを比べると、Hyperは、ずぶっと奥まで刺さってしまった感じ。キンポウゲは鋭い刃物でギザギザしてるかんじで、突き刺されたときイライラする感じです。キンポウゲ科にとげはありませんが、葉っぱがギザギザした形になっています。このギザギザです。

また、この科の特徴に風があります。いつも風にゆれています。風からの影響を多くうけます。風から症状が変化してくるでしょう。また、シリカを多く含んでいるところも特徴です。そのため、レメディのSILとも共通点がたくさんあります。

レメディを理解するには、その物質を知ることが不可欠です。マテリアメディカ(レメディの説明書)に載っていないことが、その物質を知ることによって分かります。歴史や伝承の中に面白いヒントが隠されていることも多いです。

このアコナイトでいうと日本では、トリカブトというより『附子』として古くは知られていました。お屠蘇にも入っています。漢方では冷えによいと言われています。狂言の『附子』は有名ですが、吹く風に当たってもいけないということで、風というキーワードが出てくることも興味深いです。不美人の人はブスといいますが、この附子から来ているそうでで、これを摂ると、表情が無くなるからだそうです。それを知ってから、表情があまりない人には、このレメディをちらっと頭に浮かべるようになりました。
また、日本に古くから根ざしているものは、日本人にもよく合うなと感じます。このアコナイトも日本人にポピュラーなレメディだと思います。

このように、そのレメディとしての知識だけでなく、同じ科の植物のレメディとの共通。レメディとしてではなく、物質としての知識。その物質の主な元素や毒性。そしてその歴史。など様々な角度からレメディを見ています。また、鉱物・植物・動物その違い、や共通点について。


一つのレメディとの出会いは、一人の人との出会いと同じくらいワクワクします。長年一緒にいて知ってたと思っていても、新しい一面を見せてくれることも多いです。このアコナイトと出会ったのは、もう、15年以上前ですが、未だにそんなところあったんだと思うことがあります。

初めてホメオパシーに出会って、学ぼうと思う人には無限に感じられるかもしれません。レメディだけでも何千種類とあるのに、そのレメディひとつひとつにそんなに知識が必要なんて!私も、その膨大さに圧倒されたのを覚えていますし、今も圧倒されています。そもそもすべてを知ることなんてできないでしょう。ただ、興味を失わないこと。いつもレメディをもっと知りたいと思う気持ちを忘れないことを大切にして、レメディ達と向き合っています。







日本ホメオパシーセンター京都京田辺 結恩