アンガーコントロール
10年ほど前、相談会を始めた頃から
相談会に来られる方に、怒りが抑えきれないという方やレメディをとってから怒りがとにかく出てきて、止まらないと言われる方が多くいらっしゃいました。
アンガーコントロールできるようになりたいといわれることもあります。
自分自身、過去には、子供に対して、過剰に怒ってしまったり、怒りの後の自己嫌悪で動けなくなったりすることもありましたが、今ではすっかりなくなりました。子供たちが大きくなったことが一つの要因だと思います。
それは、子供たちが大きくなって、怒られることをしなくなったからではなく、私に余裕ができたからです。
春は怒りの時期でもあるので、今回は怒りについて取り挙げてみたいと思います。
怒りの長所と短所
まず、怒りについてみていきたいと思います。怒りには、長所も短所もあります。
怒りの長所を、一つ上げるとしたら、パワーに代わるというところだと思います。
例えば自分が納得いかないと思っているシステムがあったり、非人道的だとおもうことがあったりしたとき、怒りのパワーは、それを変えることができます。
怒りと正義というのは、ほぼイコールだと思っています。正義を貫くために怒りというのは発生しますし、怒りの力で正義が貫けます。
現代社会は、怒りを抑えなければいけない場面が多いためか、それに慣れてしまい、既存のものを変えていくパワーが乏しく感じます。それは、怒りを悪いものだと決めつけてしまっている弊害だと思います。「流される」という言葉がありますが、怒りを持っている人は流されにくいです。現代は、流されたほうがいいような時代になりつつありますよね。そのような時代で本当にいいのでしょうか?怒りについてもっと価値を見出すべきだとおもいます。
その一方で、短所もあります。その力が強すぎると人を傷つけるというところです。正義を貫くために、人を傷つけるということは、正義といえるのでしょうか?できれば、だれも傷つかずに進んでいければと思う方もいるでしょうし、中には、正義に痛みは必要と思う方もいると思います。どちらが正しいとか間違っているということに意味はないと思います。ただ、怒りをコントロールすることができれば、余分な人が傷つくことが減ります。だから、アンガーコントロールが必要なのだと思います。
私は、周りの人からあまり怒らないよね?と言われますし、自分でも外で怒ることがあまりないと思います。だけど、実際は、小さなことによく怒っていると思います。
ただ、怒りを人にぶつけることはありません。
それは、怒りを感じても、それは自分の問題だと思っているからです。それをぶつけても問題は解決しないばかりか、相手を傷つける可能性もあります。
とはいえ、その思いを相手に伝えたいときもあります。その場合は、どうしたら伝わるかしっかり考えてから伝えるようにしています。怒りを直接伝えることはありません。怒りとともに何かを伝えても相手は、防御するばかりで受け入れることができないからです。
これがアンガーコントロールだと思います。
第1ステップ
それでは、怒りをコントロールするにはどうしたらいいのでしょうか?
まず、怒りは、起こった出来事より自分の精神状態に作用されるという点を理解することが大切だと思います。
お子さんのいる方は、だれしも経験があると思いますが、子供が水をこぼしたとき、怒りが湧いてきて怒鳴るときもあれば、仕方ないと思える時もあります。それは、現象は同じでも、自分の気持ちが違うからにほかなりません。冒頭にもふれましたが、それが余裕があるかないかということです。
ここで、怒ってしまうからと言って、自分を責めないでください。怒りは余裕がないから起こります。そして余裕とはつまり、自分の精神の不安や恐怖と関係しているのです。自分自身が、どれだけ不安や恐怖の状況にあるというバロメーターなのです。
忙しい毎日をこなせないのではないかという不安。否定的な未来への恐怖。たくさんの不安や恐怖に押しつぶされそうなのに、毎日を過ごすことで精いっぱいになっていて、そこに気づくことすらできません。コントロールできない怒りを持っていたり、人を傷つけてしまうのであれば、それは、その不安や恐怖に気が付くサインだと思ってください。
自分自身を助けてほしい心の声だと認識してもらっていいと思います。
それを認識することが第1ステップです。
第2ステップ
それができれば次は、簡単です。怒りをコントロールするには、まず自分の中の不安や恐怖を取り除けばいいのです。
よく、怒る前に深呼吸をしてくださいと言いますが、それは、不安や恐怖の状態の時は、呼吸がどんどん浅くなっていくからです。深い呼吸をすることで、不安や恐怖が和らぎます。呼吸で身体をかえることで、精神も変わります。
このように、精神と肉体は密接に関係しています。
自分は怒りのコントロールがいつもできないと思うのであれば、マッサージをすることもいいと思います。リラックスするということと同時に、身体の凝りをほぐすことで体の凝りもほぐせます。このあたりについては、またトピックをたててお話できればと思いますが、恐怖や不安のある方は身体がこわばっていることが多いです。
そして、マッサージをしながら、自分自身と対話してください。何に困っているのか、どうしてほしいのか。
精神面の問題は、認識することがとても大切です。その為、相談会でもじっくり話をきかせてもらっています。
ご自身で一人でする場合は、すぐに認識することは難しいかもしれません。
そこで、肉体面からのアプローチがよい手助けになってくれます。身体と精神のつながりを肉体面にアプローチしながら感じていくことは、自分を知るきっかけになります。そこをあしがかりに、自分の不安や恐怖がどこにあるのか、探っていくことが怒りのコントロールに必要な第2ステップになります。
ホメオパシーと怒り
相談会を受けているうちに、アンガーコントロールできるようになったという話を、よくききます。
また、レメディをとりはじめたら、怒りが湧いてくるという方は多いです。
不安や恐怖を沢山持っていて、怒りたいのに、それを理性で抑えている方に多いです。
レメディをとることで、自分の不安や恐怖に自分で気づきたい気持ちが高まり、怒りが出てきます。この怒りは、何に対して不安なのか、なにが問題なのか、それを教えてくれるための怒りです。自分自身を認識するためのものです。だからどんどん怒ってくださいとお伝えします。
名前を言うと消える鬼やいたずら妖精の話は各地にありますが、問題というのは、認識することで消えます。何度も書きましすが、自分を認識することは、大切なことです。
怒りがコントロールしやすくなります。
もともと怒りっぽかった方は、ハラハラと泣くこともあります。辛い気持ちを抱えていたのです。泣ききったら、なぜ怒っていたのかすらわからなくなります。
怒りとのこれから
子どもは、さっき泣いたと思ったらもう笑います。友達とケンカして怒っていたと思っても、またすぐ楽しそうに遊び始めます。感情にいい悪いはありません。
扱いに注意が必要なのです。それは、怒りだけではありません。
喜びからよくない症状が生まれるということは、ホメオパシーを少しでも勉強したことがある方は知っています。また、普段、子育て中のかたや、敏感な方は気が付いていると思います。楽しみな行事の前に、楽しみにしすぎて熱をだしたり、楽しいお出かけ後体調を崩したり等。
最初に書いたように、怒りには長所もあります。自然に発生した怒りは、人に気づきをもたらせてくれますし。変化をもたらせてくれます。決して悪いものではないのです。
なので、怒らない様にする必要はないのです。怒っていいのです。だけど、その怒りは、誰に向けての為なのでしょう?おそらく、自分の不安や恐怖や悲しみのために怒っています。それがわかれば、他の人に対して、その怒りをぶつけることは少なくなると思います。
自分の本当の声をきくことで、毎日は健やかになっていきます。
気が付いたら、コントロールのできない怒りは現れなくなっているでしょう。
0コメント