子供が風邪を引いた時

風邪というのは、身体の調整です。
身体が快復する最初は、身体が壊れた時だ。というようなことを、野口整体でもいいますが、まさにそうで、季節の変わり目や精神的なストレスのあと風邪をひくことで身体を健康な状態にもどそうとしています。

たいてい季節の変わり目にバランスが崩れやすく、その季節により対処法があります。うまく対処すれば、一日で経過できます。

(季節による対処法はすでにいくつか書いているので、下にリンクを貼ってまとめました。)

精神的なショックからの風邪

子供の場合(本当は大人もだけど)ちょっとした精神的要因で風邪をひくこともあります。

我が家の子供たちは、自分達で自然に経過させることが多く、私が気づく間もなく、すっかりなにかをしてあげることがなくなっていたのですが、梅雨の時期に、9歳の子が、久しぶりに風邪をひいたので、経過を書いてみようと思います。参考にしてください。

他でもかきましたが、私は子供が風邪を引いた時にホメオパシーのレメディを使うことは、ほとんどありません。本人がどうしても飲みたいといったときとこじらしたときだけです。
子供の場合、水と塩と呼吸この3つのバランスを崩しているだけのことが多いようにかんじています。それを調整するだけで経過します。

9才の男の子 風邪の経過

その日は遠足。楽しみすぎて、朝から早起きしてすっかり準備を整えると、「もう行ってもいい?」というのを繰り返していました。ようやっと、時間になると元気いっぱいに出かけて行きました。「いってきまーす!」

ところが、帰ってくると。「ただいま」の声に元気がありません。リュックを下すとばたりと横になりました。疲れたのかな?と思って、お弁当箱を出してと声をかけるも、だるそうな身体でゴロゴロして、なかなかお弁当箱を出しません。

いつもなら、さっと、お弁当箱を出して、「おやつ!」というか、おやつを食べる時間も惜しんで外に走って遊びに行くのに。

風邪かな?と思い、熱を測ったところ、ほんの少しいつもより高いかな?お弁当箱をようやっと出したので、開けると、全く食べていません。「お腹がぜんぜんすかなかった」とのこと。思い出すと朝も、小さな丸いパンを食べただけ。そして、朝、鼻水を垂らしていたことを思い出しました。

日中暑いけど、朝晩まだ寒く寝冷えしたのかもと思ったのですが、すぐに止まっていたので、そのまますっかり忘れていました。鼻水は塩分に問題があることが多いです。食欲もないみたいだし、梅エキス舐める?と聞くと、「なめる!」と大喜び。ちょっと舐めて横になってたら?と、1さじわたしました。

梅雨の時期のお腹の風邪には、梅エキスがぴったりです。胃腸が梅雨にやられて動きづらくなっているのに刺激を与えてくれます。そして、食欲がでてきたところで、少ししょっぱいものを食べさせたらあっという間に良くなります。
今日は、しっかり塩味をつけたおかゆを夕食にしようと思って準備を始めました。

何かあったのかな?

梅エキスをなめ終わってもゴロゴロしてまだ元気がありません。おかゆ作ってるからね。といっても。「うーん」ゴロゴロ。

そうか!このゴロゴロは、気持ちのつまりによって起こっているんだ。遠足でなにか思い通りにならなかったり嫌なことがあったのかもしれません。あるいは、楽しみ過ぎてその気持ちに疲れてしまったのかもしれません。
だけど、まだ言葉にすることもかたちにすることもできず、その複雑な気持ちを抱えて身体が縮こまって、ゴロゴロしてしまうのです。

こんなときは、呼吸です。息をしっかり身体に入れてあげることが大切です。
子供には、お風呂になにか良い香りのものをいれてあげるのが一番。お風呂で体が緩んだところに、息をいっぱいに吸えば自然と体に呼吸が入ってきます。市販の入浴剤のようなものでもいいと思います。古くなったお茶を煮出して入れてもいい匂いです。
ちょうど庭で育てているレモンバームを入れることにしました。

「一緒に摘みに行こう」と声をかけると、「うーん」ごろごろ。
呼吸を入れるには、身体を少し動かすのもよいのです。
「ハサミで切るのと袋に入れるのどっちがいい?」と選ばせると、「切る!」とちょっと元気になってきました。「なら、特別なはさみ貸してあげるね」というと、立ち上がって、一緒に切り始めました。ハーブを摘むのはそれだけで、呼吸が深くなってきます。いい匂いだねと言いながら一緒に準備しました。浅くなっていた呼吸が、深く動くようになっている様子。

台所に戻ると、おかゆが炊けてきた匂いがただよってきました。
「いい匂い。お腹すいた~」

ようやっと、おなかすいたの声がでました。これで、もう大丈夫でしょう。

塩味をしっかりつけて作ったおかゆを「美味しい!」と3杯もたべ、ほんとうは、まだ食べたいとのことでしたが、こういうときは、小食にしておいたほうがいいので、ここでおしまい。麻袋にレモンバームを入れ、お風呂にいれます。

レモンバームはお湯でゆでる必要はなく、香りをたのしむので、袋に入れてそのまま入れます。みかん等の入っているネットにいれてもいいとおもいます。様々なハーブで試せます。ハーブはプランターでもよく育つのでぜひ育ててみてください。

お風呂を出たら、いつものように遊び始めました。

お風呂あがり、冷えない様にすぐに寝て欲しいと思いますが、このような精神的風邪はたっぷり遊ぶことが、なによりもよい薬なので、そちらを優先。もちろん暖かい季節だったこともあります。

私が、片づけも、寝支度も終えて、布団にごろんと横になったら、遊びを終えてやってきた彼が、横にゴロンと一緒になりました。そして一言。

「もう治った」


今回は、本当に風邪のひき始めだったので、このように、良くなりましたが、こじらせてしまうとこのようにはいきません。たまたま私に余裕があり、早めに気が付けたのが、なによりもの薬だったと思います。

精神的な風邪といっても子供によって症状の出方は違います。お腹が痛くなる子や頭が痛くなる子もいるでしょう。また、今回のケースもそうですが、そもそも、梅雨で身体のバランスが崩れていたところに、精神的に負担な事があったので、風邪というかたちになりました。
なにか一つの原因であるというより、このように複合していることが多いです。

子供の風邪にホメオパシーや薬を使わない理由

子供は風邪を自然に経過させる力を持っています。真ん中の子は、おなかが痛いと、梅エキスや梅干しをかってに食べますし、食欲がないときはご飯も食べません。上の子は、野口整体で言う上下型と言われるタイプのようで、信じるとなんでも治る。このところは、りんごを食べれば風邪が治ると信じており、体調が悪くなると、「リンゴ~」と言い出します。

そして、食べたら「治った。」といいます。タイプの違う私には、信じられないけど。様々な風邪の治し方があるなと思います。

この自分で治す力を十分に働かせてほしい。そのために薬を使いません。自分で直した経験が身体や心の自身にもつながると思っています。

私は、子供の頃風邪をひくと病院に連れられて薬をもらっていました。ある程度大きくなると市販の薬を渡されていました。飲むとよくなりましたが、どんどん風邪をひきやすくなっていきました。その後、妊娠と同時にホメオパシーを知り、薬ではなく、ホメオパシーのレメディを摂るようになりました。さらには野口整体や様々な自然療法に出会い、風邪を経過させるということを知りました。

風邪は、薬で治したときと、きちんと経過させた時では、風邪を引いた後の感覚が全然違います。なにより、自分で経過させるとそれが自信につながり、それが精神を成長させることにもつながっているように感じました。そして、どんどん風邪を早く経過させることができるようになりました。

風邪⇒薬に頼るのではなく、風邪⇒自分で経過させる。

風邪は、自分の身体の調整ですので、自分で感じて自分で経過させることができます。その力を子供につけてもらいたい。もちろん、こじらせてしまうこともあるでしょう。その際はなにか手助けが必要かもしれませんが、ちょっと自分の身体が傾いた時、自分で立て直す力を身に着けることは、体調だけではなく、精神的な事やひいては大人になった時に起る様々な事態に対処するの能力になると考えています。困った時何かを頼るのではなく、自分でなんとかできるという自信につながると感じているのです。

とはいえ、風邪をこじらせてしまうこともあります。そんな時は、市販の薬をとるよりホメオパシーがよいと思います。特に、薬を摂っていた方は、すんなり風邪が経過してくれないことが多いです。そんな時には、ぜひホメオパシーに頼ってくださいね。

季節による対処法

最後になりましたが、子供の風邪は季節の調整でもあります。参考にしてください。横に月歴をいれましたが、目安です。感覚的に取り入れていただければと思います。
す。

初春の過ごし方(1月2月)

春の過ごし方(3月4月)

初夏 梅雨に向けての過ごし方(5月6月)

夏の過ごし方(7月8月)

秋の過ごし方(9月10月)

初冬の過ごし方(10月後半~)


日本ホメオパシーセンター京都京田辺 結恩